防犯まちづくりの新視点

このブログは財団法人都市計画協会発行の雑誌「新都市」において、平成17年12月号から連載している「防犯まちづくりの新視点」で取り上げた事例を紹介するものです。

連載各回のタイトルは以下のとおり。
・H17/12「英国の防犯まちづくりのガイドライン"Safer Places"」
・H18/01「"動線"と"監視性"」
・H18/02「"所有意識"と"物理的防御"」
・H18/03「"活動"と"維持管理"」(予定)
・H18/04「英国ヒアリング調査報告」(予定)
・H18/05「"構成"とまとめ」(予定)

独立行政法人建築研究所 住宅・都市研究グループ 樋野 公宏
筑波大学大学院システム情報工学研究科 雨宮 護

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小京都ニュータウン(山口)

防犯モデル団地。
敷地の周囲は生垣や柵で、メインの通りに面した裏側も柵。Dsc_0240_1 Dsc_0243_1

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山口朝田ヒルズ

1996年に「防犯モデル団地」に指定された「山口朝田ヒルズ」では、道路に面する外構を地区計画で生垣もしくは1.3m以下の木製柵に制限して、敷地内外の見通しを確保し、犯罪企図者が身を潜める場所をなくしている。また、統一規格で門灯を配置し、夜間照明の確保にも配慮している。これらの取り組みは防犯面だけでなく、統一された景観の創出にも寄与している。

舗装の色を変えて、住民以外が入りづらい雰囲気を作っている。地区計画による生垣の設置。大半は戸建で比較的富裕層や高齢者が多い。東側は共同住宅で、小さな子どものいる世帯が多い。

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コミュニティゾーン(神戸)

交差点部分の舗装の色を変えたり、道幅を狭くしたりすることで、自動車の速度抑制を図っている。
しかし、路上駐車や工場の資材置き場になっている箇所も見られた。

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藤原台北町地区(神戸市北区)

都市再生モデル地区。
歩行者専用道路は監視性が低くなりがちであるが、見学時は通行量も少なくなく、落ち葉の掃除をする高齢者も見られた。
住宅の裏口がこの専用道路に面しており、侵入しやすくなっている(センサーライトや防犯カメラを設置している住宅あり)。

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防犯モデル道路(名古屋)

愛知県警が1980年代に行った「防犯モデル道路」制度は、小学校周辺を面的に指定し、音と光で周囲に身の危険を知らせる非常押しボタンを設置したり、地域住民の活動を促進したりする取り組みである。1981年に防犯モデル道路として整備された白沢小学校周辺地域では、1987年に一部道路がコミュニティ道路としても整備され、自動車が速度を出しにくいように左右交互に植栽桝を設置したり、交差点部分の舗装を替えたりしている。また、ボラードに子どもの絵を入れたり、辻広場を配したりすることで、『所有意識』や『監視性』にも配慮している。

モデル道路指定時に、小学校周囲の壁は見通しの良いフェンスに代えられた。

「防犯モデル道路」は警察庁、県警主導の事業であるが、整備後の活動、維持管理は自治会等に委ねられている。同地区では今年、ひったくり訓練とサイレンのメンテナンスを行なった。しかし、 100を超える防犯モデル道路の中でもこのような例は稀で、継続性の面で課題が残る。

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春日井市松新地区

都市再生モデル地区。
駅前再開発と、駅南側の密集地域での区画整理が進行中であったため、、調査・研究を通じて防犯まちづくりを進めることをねらった。

地区住民へのインタビューなど、調査・研究は「防犯まちづくり春日井市松新地区協議会」(有識者、警察、市、住民等)を設立して行なった。モデル調査は物的環境の改善を目的とするものでなく、住民への意識付けという部分が大きい。現在も、まちづくり支援事業のなかで地域住民が防犯について考えており、今年度はまちの防犯点検を通じた「松新地区安全点検マップ」を作成している。

南勝川公園は、植栽や囲障が道路(手前)からの視線を妨げないよう配慮されている。奥にある集会所は一階南面がガラス張りで、相互に視線が届く。

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高森台の家(春日井市)

高森台の家は、安全な街づくりを掲げる全57戸の戸建団地。

アクセスは自動車路2箇所、歩行者路3箇所に限定され、さらにすべて人感式防犯カメラでおさえている。(各戸のアプローチにも熱感知式カメラを設置。画像の保存、メール転送を行う。)
外構はオープンにして監視性を高める一方、一階部分は防犯性の高いガラスとセンサーで侵入対策を施している。

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マザーヴィレッジ岐阜(岐阜市)

戸建住宅地の例として、「ゲートタウン構想」を掲げる「マザーヴィレッジ岐阜」(敷地面積2万2千m2、112戸1))では、マンションのオートロックさながらに、入場時はメインゲートで非接触ICカードを使うか、またはインターホンで訪問先にゲートを開けてもらう。さらに、一部の戸建区画(図グレーの部分)にも同様のサブゲートを設置して、部外者の侵入を抑止している。敷地内には、戸建住宅のほかに、賃貸メゾネット住戸、分譲マンション、有料老人ホーム、託児所(予定)もあり、多様なライフスタイルを可能にしている

同一道路上での歩車分離はひったくりの抑止に有効である。歩道上の障害物は、バイクや自転車の進入を抑止している。

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リフレ岬望海坂(大阪府岬町)

国内初のセキュリティタウンとして知られる「リフレ岬望海坂」では、団地内の公園等を映すWebカメラの映像を、ネットワークに接続された各世帯のパソコンで閲覧できる。カメラの画角や向きの操作も同様に可能である。また、同団地には警備員が24時間常駐し、青色回転灯を装備した自動車で巡回している。警備員は、登校時に子どもを団地入口まで見送るなどの活動も行っており、住民と顔見知りの関係になることでより地域の防犯に寄与していると考えられる。

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ニュートンプレイス(東京都江東区)

東京都江東区の「ニュートンプレイス」(敷地面積3万8千m2は、中庭(7千8百m2)を囲む形で10棟(989戸)の集合住宅を配置している。敷地を住棟と塀で囲んだ上で4箇所の出入口にオートロックを設置することで、敷地内へのアクセスを絞りこみ、匿名性が高く部外者が入りやすいという大規模住宅団地の課題に対処している。

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ベルポート芦屋(兵庫県芦屋市)

兵庫県芦屋市の埋立地に立地する「ベルポート芦屋」(敷地面積3万1千m2、82戸)は、警備員が常駐するゲート(1箇所)と、赤外線センサー設置の柵で完全に閉じられた住宅地となっている。敷地内の道路は私道を建築基準法上の道路として指定する「位置指定道路」であり、道路上の建築行為は禁止されるが、工作物であるゲートはその制約を受けず、一般の通行の用にも支障がないために設置が認められている。

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プロムナード多摩中央(東京都多摩市)

都市機構の物件には、監視性が低くなりがちな歩行者専用道路の見通しを良くするとともに、道路に面して、趣味などに使える「プラスワン住宅」を配置し、積極的に利用機会を高めることで監視性を確保している例もある。

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筑波大学(茨城県つくば市)

『監視性』確保のための取り組みとして、犯罪不安感の高い場所や、実際に犯罪が起こった場所において樹木を間引くことによって見通しを確保する事例が見られる。

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区立公園(東京都板橋区)

公園周囲に低木と高木を組み合わせて配置し、公園内外の見通しを確保している好例である。計画的な管理によって、低木を巨木化させないこと、高木の樹冠を高い位置に保つことが必要である。

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くらがり診断(愛知県春日井市)

春日井市安全なまちづくり協議会が1994年から行う「くらがり診断」は、住民へのアンケート調査、現地調査を経て防犯灯等の設置要望箇所を選定し、協議会での審議を経て市長に答申するものである。2004年までに防犯灯427基、道路照明灯228基が設置されている。

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灯かりのいえなみ協定(兵庫県神戸市)

門灯や玄関灯によって地域で一定の照度を確保する「灯かりのいえなみ協定」を締結するためのアドバイスや専門家派遣等を2002年度より実施している。現在、5地域で協定が締結され、2地域で「灯かりのいえなみ宣言」が行われている。

写真は神戸市学園東町6・7丁目。「灯かりのいえなみ宣言」により行われた点灯実験。

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つくば市の戸建住宅地

心理的障壁を用いた『所有意識』の向上の例として、ボンエルフ3)を活用した住宅地がある。茨城県つくば市の戸建住宅地(吾妻四丁目地区、敷地面積16,552m2、61戸)では、道路の舗装を変えることで住宅地の共有領域を明示している。ボンエルフは交通静穏化を目的とするものではあるが、それによって公的、半公的空間の境界が明示できることから、防犯上も有効な手法と考えられる。P32

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ビレッジつくば竹園(茨城県つくば市)

住宅へのアプローチ部分にコモン(共有庭)を設けることも、心理的障壁をつくる有効な
手法である。同じくつくば市の「ビレッジつくば竹園」(敷地面積3,646m2、13戸)では、複数の戸建住宅をグルーピングしてコモンを設けている。この住宅地では、道路舗装面の変化に加えて、ベンチや犬の置物を配置したり、ゴールドクレスト等の通常公的空間では見られない植栽を施すことで、各住宅へのアプローチ部分が住民に共有される半公的空間であることを示している。

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けやきの公園(東京都板橋区)

東京都板橋区では、公園の設計プロセスにおいてワークショップを取り入れ、さらに管理運営への住民参加の取り組みとして「アダプト・プログラム(公園の里親制度)」を運用している。同区の「けやきの公園」(敷地面積1,459m2)は、ワークショップによる設計案の決定を経て2000年に開設された街区公園であり、その管理運営にはアダプト・プログラムが取り入れられている。同公園では、里親が管理していることを示す看板(アダプト・サイン)が設置されており、その公園が地域住民の管理下にあることを示している。またトイレの外壁に地域の小学生の絵が飾られていることも、公園に対する住民の『所有意識』を高めると考えられる。この事例のように公園管理への住民参加を行うことは、参加者自身に加え、公園のその他の利用者の犯罪不安を抑制するうえでも効果がある。

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防犯性能の高い建物部品

わが国では、建物部品に関して「防犯性能の高い建物部品」(以下CP部品)の開発・普
及が進められている。CP部品とは、侵入までに5分以上の時間を要するなど一定の防犯性能があると官民合同会議が評価した建物部品で、その数は2005年9月末現在、16種類約2,700品目である。CP部品は目録に掲載、公表され、共通標章(CPマーク)を貼付(刻印)することができる。公表開始から1年経過した2005年4月時点では、全出荷量に占めるシェアは1%前後だったが、選択肢の増加、低価格化によって普及が進むと予想される。

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防犯に配慮した共同住宅

「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(国土交通省・警察庁、2002)(以下設計指針)に基づき、都道府県単位で努力義務としての指針を示しているところが多い。さらに10都道府県では、設計指針を基にそれぞれで定めた基準により、防犯上優れたマンションを認定・登録する制度が運用されている。このような「防犯優良マンション認定制度」を全国的に普及するため、国土交通省・警察庁では設計指針の改定の検討、認定基準の策定が進められている。

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